ライン工おばさん（機械工場）

ライン工おばさん（機械工場）

近所の機械系工場でライン工として働くおばさん。パート勤務。子どもが小学校入学と同時に「とりあえずパートで」と入社したのだが、なんとなく辞めるタイミングを失って現在に至る。

会社から支給されているスモッグは着用が義務付けられているが、それ以外の服は自前。ちなみに腕カバーはお手製。昭和の頃はメジャーに使われていた腕カバーだが、近頃はどこを探しても売っていないので自作せざるをえなかったらしい。会社にはロッカールームがあるのだが「自宅から会社まで自転車で１０分だし」と、このままの格好で出勤している。

美容院は３ヶ月に１回。白髪染めは自分でしている。ドラッグストアが大好きなのだが、白髪染めもシャンプーも買うたびに品物を変えていて本人は「白髪染めジプシー」を名乗っている。いつか「これは」と思う白髪染めに出会いたい願っているが、いまのところそ添い遂げるほど気に入った商品には巡りあっていない。

ライン工の仕事は好きと言うわけではないが、嫌いでもないらしい。もともと手先が器用で細かい作業は好きらしい。最近、羊毛フェルトに凝っている。特にアルパカが気に入っていて、玄関の靴箱の上には自作のアルパカが５頭いる。誰か欲しい人がいれば、プレゼントしたいと思っているのだが、誰も欲しがらないのが不思議でならない。

夫からは「最近、おばさんと言うより、おじさんっぽくないか？」と言われるが、心は乙女。可愛い物が大好きなのだが、おばさんの皮を被って生活している。夫が定年したら定年旅行はフランスに行きたいと密かに願っている。