梅仕事おばさん
梅仕事おばさん
青梅が出る季節になると無駄に張り切ってしまうおばさん。大量に梅を仕入れて、梅酒、梅干し、梅シロップ、梅ジュースなど梅加工食品を嬉々として作る。梅を使って何かを作る作業を、いつの頃からか「梅仕事」と呼ばれている。ちなみな「梅仕事」と言う造語は『天然生活』等のロハス系雑誌が発祥ではないかと推察される。
梅仕事おばさんは、青梅の時期が来ると「漬けたい!」と言う衝動を抑えられなくなるらしい。スーパーの店頭に青梅が並ぶと同時に箱買するのは当たり前。自分の気に入った農園から青梅を「お取り寄せ」するコダワリ派も少なくない。
ファッションに一貫性はないが、ロハス系の人が多い印象を受ける。麻や綿のざっくりした服が好き。どちらかと言うと「見た目」よりも「楽である」事が優先される。女優さんが着ると、それなりにお洒落っぽく見えね服も、おばさんが着るとおばさんっぽく見えてしまうから不思議である。
こういうデザインが人気っぽい
「梅仕事」には独特の中毒性があるらしい。「家に余ってるのは分かってるけど、青梅が出回りはじめると作りたくなっちゃうのよね」と、梅仕事おばさんは語る。筆者も何年かに1度のペースで梅酒を付けるので、梅仕事をしている時の多幸感は理解出来なくもない。恐らく、青梅から発せられる爽やかな香りと「私。いい主婦やってる」という満足感がポイントなのだと思われる。
梅仕事おばさんは大量に梅加工品を生産するが、それら全てが家族で消費される事は稀である。大抵は「おすそ分け」と称して、ご近所や友人・知人に配られる。「人に配り歩くくらいなら作らなければいいんじゃない?」と思ってしまうのだが「作る」ことに意義事があるので、梅仕事を止める事は不可能とのこと。梅仕事おばさんまの家の押入れの奥や床下収納庫には日付ラベルが貼られた梅酒や梅シロップの瓶がいくつも保管されているらしい。
こういう瓶がゴロゴロと……
梅仕事おばさんから「梅酒あげようか?」と声をかけられた場合、嫌いでなければ遠慮せずに貰うことをオススメする。少しくらい分けてもらっても、梅酒おばさん一家が飲む分に困る事はないと思われる。